脳神経外科・脊椎脊髄外科

医療従事者、開業医向けトピックス

医療従事者、開業医向けトピックス

Drip and Ship, Retrieveの重要性

脳梗塞急性期は発症4.5時間以内はTPA静注で麻痺など回復する可能性があります。一方、内頸動脈閉塞などTPAではなかなか血栓がすべて溶けきらない症例もあり、いまだに、TPAでは再開通率20%以下で予後不良です。再開通しない場合は急いでカテーテルによる血栓除去を追加する必要があります。ESCAPE(2015) および EXTEND-IA 研究(2015)では、ステント型血栓除去用カテーテルの追加使用により 神経学的転帰が改善することが示されました。

追加でカテーテル治療を行う場合はやはり時間をあまりあけないことが重要です。脳梗塞の急性期でTPA治療を行う施設は比較的多いのですが、そのあとのカテーテル治療まで行える施設はまだ少ないのが現状です。

そこで当院では、他院でTPAを行った症例をただちに受け入れ、早期にカテーテル治療を追加で行う体制を整えています。常勤の脳血管内治療専門医が2名おり、また院内でのカテーテル血栓除去パスにより、時間を短縮し治療する体制をとっています。他院からTPAを静注しながら(Drip)救急車で転送(Ship)その後カテーテル治療を行う(Retrieve)方法が最近注目され、American Heart Associationのガイドラインにも必要性が追記されています。

もちろん、TPAからカテーテル治療まで一施設で一貫して直ちに行えるのがベストであることは言うまでもありません。

80代女性 カテーテル治療

カテーテル治療

TPAで再開通が得られず、ステント型血栓除去でバイスを用い再開通した。 とくに神経症状はなく、自宅退院す。